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産土 2023穂増 | 六農醸 発売

産土 2023穂増|六農醸 4月21日誕生

其之一 『菊池川流域産米』
米を洗う、米を蒸す、そして仕込む、水をうつ、日本酒の80%は水。その井戸水と同水域の水で育った米で醸す。
最高の相性の実現、それが菊池川流域の米にこだわる理由。
また『國酒』である日本酒は、日本の伝統文化であるからこそ、その地域の文化である在来米を大切に土着の生産風土で醸す。
そして、こだわる事で見えてきた中山間地の課題。その課題解決が我々の道である。

其之二 『無農薬栽培』
肥沃場所には沢山の植物、虫や生き物、菌と微生物が生息し、その代謝物や死と誕生の生命活動を繰り返し、
長い年月をかけ生み出してきた目に見えない豊かな地力はモノを産み出す母体であり、産土の恩恵の大きな要素。
農薬は目に見えない豊かな産土の新陳代謝を妨害し生能を衰微させてしまう。
実際に無農薬栽培に取り組み5年、ゲンゴロウや蛍や野鳥など、農薬を使用しない菌と微生物を中心とした生物多様性は豊かになっていく。
豊かな産土の恩恵を大切にする事が我々の道である。

其之三 『無肥料栽培』
四季があり豊かな国土を持つ日本。その中でも気候に恵まれ肥沃な熊本は江戸時代に天下第一の米を生んでいた。
現代の科学と工業が発展し豊かさがあたりまえで見えなくなった自然の恩恵。
その豊かな地力は様々な菌や微生物の織りなす生物多様性から生まれている。見えない神秘に感謝することが我々の道である。

其之四 『生酛』
自然界に生きる乳酸菌を導く。
生酛造りは、自然界に棲む天然の乳酸菌を育てていく、江戸時代から続く伝統的な製法。
現代では醸造乳酸を添加し簡単に安全な環境を造る事が出来るが、私達の哲学の主役は『菌と微生物』である。
だからこそ蔵の中に棲む自然な乳酸菌が約1ヶ月という長い時間をかけ酸を生み出し雑菌を抑制するという古典的な醸造法に敬意を持っています。
そして、この生酛が生み出す複雑さは産土にとってなくてはならない味わいの奥深さを生み出してくれる。
量産や効率ではなく伝統を大切にした日本酒造りの『型』『美しさ』を繋ぐ事も我々の道である。

其之五 『木桶醸造』
江戸時代と同じ伝統的な木桶で仕込むと、自然の杉の木の香りの特徴が、江戸時代の在来種穂増と相性がよく、その複雑な調和が奥行きを増す。
また木桶醸造は、品温調整が困難で酵母達の活動をコントロールしづらく、気温や湿度など気候の外的要因を受ける為に酵母が予測不能な働きをする。
その個性は時に素晴らしい味わいを生み出します。仕込む時期やその年の気候を表現する為に、毎回味わいが異なる。
人の過度なコントロールではなく、菌と微生物を信じる見守り導く姿勢も産土の道である。

其之六 『酵母無添加』
蔵の中に100年以上棲みつく天然の酵母を取り込んで発酵させる『酵母無添加』は、約2ヶ月をかけて酛が完成する。
また他の雑菌や好ましくない野生酵母の繁殖を防ぐため、五感を駆使した管理にとてつもない時間と気をつかう醸造方法である。
時には好ましくない味わいにより販売しない事もある酵母無添加の醸造時は、まさに菌と微生物の存在を肌で感じられる時である。
その酵母無添加より生み出された味わいは、口に含んだ後、その奥深くに野生の味を感じられる。
この自然界に棲む、様々な菌と微生物の生み出す複雑さを敬意を持ち人が導く事が私達の大切にする道である。

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