産土アーカイブスUbusuna Archives
産土ポッドキャスト -ubusuna- #episode6
第六回|3人目のゲスト「自然農法家 實取義洋さん」との対話|前編
-神田@ 土着性の強いもので、何か酒を造りたかった。ちょうどそのときに實取さんの穂増と出会って
-實取@ 穂増っていう品種が熊本にあったっていうのは、私達農家も実は全く知らなかった
神田@ 今日のポッドキャストは、酒づくりに欠かせない、農業のこと、そして私たち蔵人にとっては尊くて身近な存在である、神棚をめぐる祈りと、その神様をめぐる料理ですね、神饌の事、直会の事、そういったことを酒蔵の神棚の前で語っていきたいと思います。
今隣にいらっしゃる方が、私達と一緒に江戸肥後米穂増を育てている菊地川流域の農家の實取さんです。穂増の復活からですね栽培までの中心的な役割をされている農家さんです。實取さんこんにちは今日はよろしくお願いします。
實取@ よろしくお願いします。
神田@ あれですよねもう實取さんとお会いして、3年ぐらいですかね。
實取@ そうですね。
神田@ 最初うちの蔵のイベントのときに穂増を持ってきて頂いて、そこで穂増と出会うんですよね。ちょうど在来いっていうか、なんか本当、土地の土着のある土着性の強いもので、何か酒を造りたいとかあったんで、ちょうどそのときに實取さんのですね、もう本当に穂増と出会って、一緒に行きましたもんね唐津の・・
實取@ そうですね。菜畑遺跡ね。
神田@ 資料館の中にあるその表を見ると、山形亀の尾、岡山雄町、兵庫神力とか非常に有名な、今のそのコシヒカリとか山田錦の先祖の名前がある中に、熊本穂増てゆうのがあったですね、あれを確か菊地の農家さんですね。
實取@ そうですね。はい。熊本地震のですね、復興支援のプロジェクトの一環でやっぱり実際阿蘇とかですね益城とか、お米農家が米が作れないっていう自体を私達も初めて身近に経験して、そういったのもあって、やっぱりそのお米農家が夢をやっぱり見続けられるというか、周りからもお米作りってすごいね楽しいねって思えるような何かを残したいっていう思いがあって。
そのときにやっぱりその穂増っていう品種が熊本にあったっていうのは、私達農家も実は全く知らなくて。
こんな素晴らしい品種があったんだったら、これはみんなで復活させたいねっていう、やっぱその熱は早かったですね。
-神田@ 自然農法で初めて穂増の米作りを始めた
-實取@ 稲っていうのは、僕ら人間のために身を付けてるわけじゃない
神田@ もうなんか多分そういった皆さんの何か思いが込められてたからこそ、何かすごく私そっちに入り込んだというか。穂増で作ってみて、だったら当然自然農法で穂増やるのに、なかなかね農薬使うと、多分ちょっと考えづらいというか、なので自然農法で初めてそこからですね、お米作りをやらせていただくんですけど。
實取@ 在来品種に関しては、一般的なお米の作り方では思いもよらない育ち方をする。すごく強烈に感じたのは、稲っていうのは、僕ら人間のために身を付けてるわけじゃないんだなっていう。
自分たちの子孫をより良い条件のところに残したいから、背が高くなったり、温暖な気候とか、風の強さに合わせても実を落として、うん雨や風で遠くに飛ばしたりっていう、稲の本能なんだなあと思ったときに、育てにくい在来品種っていうより、同じ生き物というか、やっぱり私達は命のお裾分けをいただいてるっていう、なんか感動の方が強くなって、アプローチの仕方というか接し方っていうのが大きく変わったかなと思うんですね。
-實取@ 古い品種だかたこその個性的な味わいがある
-神田@ 産土ブランド立ち上げは穂増の出会いが結構大きかった
實取@ やっぱり明治、大正初期ぐらいまでの米っていうのは、やはり素材の本当に噛めばかんでいくごとにジンワリ広がる甘みであったり、やっぱりあっさりとしたような食感だったり、それはやっぱりあります。あと特にやっぱり強烈なのは、それぞれ得意の香りがあるなと思いますね。古い品種だからこそかなと。
神田@ 確かに個性はありますよね。
實取@ 米の仲買をされてたような方達ってのは一口食べた時点で、あっこれは本当に熊本の穂増だねとか、これ石川のあれだねみたいな、そういったのが当たり前だったそうなんですよね。やっぱりそれだけその土地にあった土地や水ていうのがあったんでしょうね。
神田@ 人間の技術が進化したことによって、その境目がなくなりましたよね、
實取@ 均一化してしまう。
神田@ そうそう、やっぱお酒もそうですやっぱりどんどん味が売れるものに寄っていくっていうか、
實取@ そうですね。
神田@ 変わりばえのしないお酒が多くなるっていうかそこがなんか、すごく感じてたことで、この数年間。でまあ花の香というブランドを一度解散して、産土というブランドを立ち上げなおすですけども、でもそういった意味では穂増の出会いが結構大きかったですよね。
實取@ ありがたいですね。
神田@ なんか本当にこういう米作りしたいなあこういう酒造りしたいなとお互いがこうですね次の世代から思われるような、何か形を作りたいですね。
實取@ はい。
産土ポッドキャスト #episode6 2022.4.2
第六回|3人目のゲスト「自然農法家 實取義洋さん」との対話|前編
現在4つのアプリから視聴できます。気に入ったら登録してください。YouTubeは画像と動画による編集をしています。